2002年2月22日(金)
ヒトゲノムプロジェクト
ヒトゲノムって5、6年前(?)に本とか出て日本でも有名になったよね。
世界各国の協力ではじまった壮大なDNAプロジェクト。人間のDNAの仕組みと一つ一つの遺伝情報がどういう働きをしているのかを解読しようとしてる大変なプロジェクトです。それによってあらゆる遺伝病(例、癌、糖尿病、高血圧、etc)の治療法が見つかるかもしれないという偉業でもあります。けれどもその反面、危険性も秘めてる。
人は科学の進歩とともに科学の悪用もしてきた。
これは先セメ取った人間生物学でリサーチ記事とともに教授が話してくれたものです。
19世紀の終りから20世紀初頭にかけて世界各地でEugenic(ユージニック)という価値観が広まった。ドイツとアメリカがこの価値観のもとに一部の人達を迫害をした代表格です。ドイツはナチスのユダヤ人迫害で有名すぎるほどだけど、アメリカがやってきたことはあまり知られてない。Eugenicは日本語だと優生学。遺伝子操作や社会的抑制などよって、生まれてくる子どもの質を高めようという科学です。
20世紀前半、アメリカではeugenic sterilization
law(優生不妊法)が立法され、少なくとも60,000人が強制的に避妊手術を受けた。自発的に手術した人も入れると100,000人以上がこのころ不妊手術を受けている。これは知能障害者、精神異常者、犯罪者、アルコール中毒者、貧困者、売春婦、孤児などを対象に行なわれた。ドイツでも同じような法律ができ、黒人、精神障害者、知能障害者、ユダヤ人、ポーランド人、ロシア人などが強制不妊させられた経緯がある。
要はその時代、社会的に好まれないと判断される人達が子孫を残せないように排除したわけ。これはこのころ世界各国で行なわれてたいた。(日本もやってたかどうかは私はわかりません)結局その狂ったユージニック的価値観は戦後、人権という考え方が定着して衰退したわけだけど、ヒトゲノムプロジェクトは新たなユージニックを生む可能性があるのです。
それが遺伝子差別と言われるもの。
例えば、特定の民族に多い遺伝病があれば、レイシズムに繋がる可能性大になる。
例えば、あなたが重度の遺伝子病にかかってたとする。今はもう何パーセントの確立でそれが子どもに遺伝するのかわかるわけ、そうなるとそんなあなたが子どもを持つのは無責任だと批判される可能性も出てくる。
例えば、お腹の子どもが重度の障害を持っていることがわかった場合、中絶することもできる。さらに遺伝子操作によって障害を取り除くことができるなら、それができないで生まれてきた子ども達が差別されるようになる。結局、ノーマルに生まれてくるのがベストだってことになって障害者がますます隔離されることになるでしょう。
私達が科学の発展を待っているのではない、科学が私達を待っているのだって何かのドラマで言ってた。科学の進歩はとうの昔に私達を追い越してしまった。だからそれをどう使うかは人間しだいなんだよね。科学の進歩とともに人間の頭の中も進歩していくことを願うよ。日本はアメリカのような宗教的モラルがないから、遺伝子学の分野ではとても進んでる。でも、そのことによって社会にどういう影響があるかってことをあんまり考えてないように思う。
最近、乙武洋匡の「五体不満足」を読んだけど、彼のお母さんが「もし障害がある子どもだってわかっていたら果たして生んでいたかどうか自信がない」って言っていたというのを読んで、ウーンと唸ってしまった。
もしお腹にいる子どもが重度の障害を持ってることがわかったらどうしますか?
1、産む
2、中絶する
3、そんなこと知らないほうがいい
資料:Garver, K.L. & Garver B. (1994) The Human
Genome Project and Eugenic Concerns
HD
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